管理委託契約を結ぶ前には、重要事項の説明が必要です。新規契約と更新契約で手続が変わる点が最大のポイントです。
先生、重要事項の説明って、契約の前にするのぉ?
そうよ。
管理業者は管理委託契約を締結しようとするとき、あらかじめ管理業務主任者をして、重要事項を記載した書面を交付して説明させるの。
72条ね。
説明の相手は、管理者等と区分所有者等の双方ですよね。
そう。
管理者等および区分所有者等に対して行うわ。
ここで新規と更新の違いが重要になるの。
新しく結ぶときは、どうするの?
新規契約は説明会を開催するのよ。
しかも開催日の1週間前までに、日時・場所を掲示しておく必要があるわ。
では、同じ条件で更新するときは説明会は不要で、書面交付で足りるのですね。
そのとおり。
従前と同一条件での更新なら、区分所有者等全員に書面を交付すればよく、説明会は不要。
ただし管理者等には説明が必要よ。
確認クイズ
重要事項の説明(72条)に関する記述として正しいものはどれか。
- 新規契約でも説明会は不要である
- 新規契約では説明会を開催し、1週間前までに日時・場所を掲示する
- 同一条件の更新でも必ず説明会を開催しなければならない
- 説明は管理者等だけに行い区分所有者等には不要である
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正解: 2. 新規契約では説明会を開催し、1週間前までに日時・場所を掲示する
正解は2。新規の管理委託契約では説明会を開催し、開催日の1週間前までに日時・場所を掲示します。新規は説明会が必要で、同一条件更新は書面交付で足りるため1・3は誤り、相手には区分所有者等も含むため4も誤りです。
2026年4月の改正で加わった決まり:管理業者が管理者になる場合
管理会社が、管理組合の管理者(代表者)を引き受けることがあります。管理業者管理者方式といい、2026年4月施行の改正で、区分所有者を守るための決まりができました。
管理会社が理事長さんの代わりもやってくれるの?
役員をやらなくていいなら助かるかも!
役員のなり手不足で増えている方式よ。
ただ、管理を頼む側と頼まれる側が同じ会社になるから、利益がぶつかるおそれがあるの。
そこで、管理業者が管理者の仕事を引き受ける管理者受託契約にも、72条の重要事項の説明と、73条の書面の交付が義務づけられたわ。
説明をするのは、やはり管理業務主任者ですね。
そう。
説明会を開いて、管理業務主任者が説明するの。
それに、管理業者が管理者である場合の管理事務の報告は、説明会を開いて区分所有者等に対して行うのよ。
77条2項ね。
自分の会社に工事を頼んじゃったりしないのぉ?
そこが一番の心配よね。
だから利益相反のおそれがある取引の事前説明ができたの。
管理者である管理業者が、自社や親会社・子会社などと取引をするときは、あらかじめ説明会を開いて、取引の重要な事実を区分所有者等に説明しなければならないわ。
77条の2よ。
災害のときなど、急ぐ場合はどうなりますか。
災害などやむを得ない事由で、取引を速やかに行う必要がある場合は、事前の説明は要らないとされているわ。
確認クイズ
マンション管理業者が管理組合の管理者になる場合(管理業者管理者方式)に関する記述として正しいものはどれか。
- 管理者受託契約を締結しようとするときも、管理業務主任者による重要事項の説明が必要である
- 管理者受託契約は管理受託契約ではないので、重要事項の説明も書面の交付も不要である
- 管理者である管理業者が自社と取引をするときは、取引のあとで区分所有者等に報告すれば足りる
- 管理業者が管理者である場合、管理事務の報告は不要である
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正解: 1. 管理者受託契約を締結しようとするときも、管理業務主任者による重要事項の説明が必要である
正解は1。2026年4月施行の改正で、管理者受託契約にも、72条の重要事項の説明と73条の書面の交付が義務づけられました。2はどちらも必要で誤り。3は、あらかじめ説明会を開いて説明しなければならないので誤り(77条の2)。4は、説明会を開いて区分所有者等に報告しなければならないので誤りです(77条2項)。